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オフィスをより快適に!環境改善のためのチェックポイント

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オフィスをより快適に!環境改善のためのチェックポイント

オフィスをより快適に!環境改善のためのチェックポイント

快適なオフィス環境の条件……そう聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?広々とした空間、おしゃれな休憩室、最新のIT機器。もちろん、そういった要素も挙げられるでしょう。でも、オフィスは生身の人間が長時間働く場所。何よりも健康と安全に支障のない環境であることが優先されるべきです。その見地から特に重要な3つのポイント、「室温」「湿度」「照明」についてチェックしましょう。

快適なオフィス環境の実現は「室温管理」から

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

快適なオフィス環境のために最重要ポイントとなるのが「室温」です。オフィスの室温が極端に高かったり低かったりすると、従業員にとって強いストレスとなり、円滑な業務の遂行だけでなく、健康面でもトラブルの元となります。
では、オフィスにとって適切な室温はどう設定すればよいのでしょうか。
労働安全衛生法第23条は、事業者に対し、オフィスの保温や防湿など、労働者の健康の保持のため必要な措置を講じることを義務付けています。この法律を受けて、具体的な細則を定めた事務所衛生基準規則第5条3項は、オフィスの室温について「17度以上28度以下」にするよう定めています。
この「28度」という最高温度は適切なのでしょうか。近年、政府が推進するクールビズ政策が奨励するのが、「オフィスの室温は28度に」というスローガンです。実はこの28度という数値は、政策担当者が上記事務所衛生基準規則の定めを参照して採用したものです。
しかし、近年の異常気象の影響なのか、「28度では暑すぎるのではないか?」という声が年々増えています。また、気温が28度を超えると、通常の事務作業でも熱中症の発症リスクが急激に上がることも知られています。さらには、オフィスの室温が26度を超えると、仕事への適応度(作業効率)が顕著に下がるという研究報告もあります。
結論として、オフィスの快適さを保つためには、室温が28度以上にならないことが最低条件だと言えるでしょう。可能ならば、17度以上26度以下に室温を管理したいものです。
なお、事務所衛生基準規則第4条1項では、「室温が10度以下にならないよう適当な温度調節をせよ」と事業者に義務付けています。室温10度を下回るオフィスで長時間働くことは、作業効率の低下どころか健康上のリスクさえ出てくるので、これは当然の規定といえるでしょう。「暖房費がもったいないから、重ね着やカイロでこの冬を乗り切るぞ!」などと従業員に我慢を強いると、労働安全衛生法違反として刑事罰の対象となることもあるので注意しましょう。

「適度な湿気」でオフィスの不快指数を下げる

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

快適なオフィス環境にとって「適度な湿気」も重要です。乾燥している場合は加湿器を使うことですぐに対応できます。他方、梅雨の時期など湿度が高い季節では、除湿機だと手に負えないこともあります。
では、オフィス環境を快適にする湿度管理はどう考えればよいのでしょうか。この点につき、事務所衛生基準規則第5条3項では「40パーセント以上70パーセント以下」を目標湿度としています。もっとも、湿度については室温ほど厳しい管理は求められていません。これは人間が発汗によって体温調節できる動物だからです。そうはいっても、あまりにも湿度が高いと発汗による体温調節ができなくなるので、業務に支障をきたします。
人間が不快に感じる湿度と気温の組み合わせ=不快指数は、一般に75を超えると10%の人が不快と感じ始め、80を超えるとほぼ全員が不快に感じると言われています。たとえば、室温が26度に設定されているとすると、湿度が75%以上になると不快指数が75に達します。ところが、クールビズが推奨する室温28度の場合、湿度50%で不快指数は75に達し、湿度85%で80に達してしまうのです。エアコンの設定温度が同じ場合、冷房よりも除湿のほうが電気代が高くなるので、高い室温を我慢しながらハイパワーで除湿しつづけるというのは、コスト面でかなり問題があるといえます。
結論として、オフィスの室温を26度程度に保ってさえいれば、よほどの高湿度でないかぎり不快指数が高くなることもないので、コスト面でも適切な選択といえるでしょう。ただし、オフィスが広い場合、エアコンだけではなかなか目標温度になりません。目標温度から気持ち2~3度低い温度にエアコンを設定するだけでなく、シーリングファンやサーキュレーターを活用して空気を循環させるのがポイントです。

その明るさは過剰かも?「照明の最適化」にトライする

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

オフィスの環境を左右する要素として、室温や湿度のほかに、「照明」も欠かすことはできません。暗い室内で長時間パソコンの入力作業などをしていれば、作業効率は下がり、視力もいずれ悪化するでしょう。そこで定められたのが「JIS照度基準」です。この基準によると、一般的な事務室の場合、デスク上の明るさは750ルクス以上とするよう規定されています。
しかしながら、この基準が制定されたのは1958年のこと。その後の時代の変遷に応じて内容が改訂されていきましたが、古い時代の基準がそのまま維持されている部分もあります。「750ルクス以上」という基準も、そんな古い基準のひとつ。この基準の制定当時は、まだ紙の資料を机に置きながらワープロなどに文字入力する作業が多かった時代です。そのため、一般的な事務室でもかなり明るい照度が必要でした。
しかし、現在のオフィスワーカーは、ほとんどパソコンの画面を注視しながら作業します。パソコンのディスプレイは、それ自体が強い光を放つ精密機械であり、空間照度にあわせて画面の明るさを調節することも容易です。したがって、「天井等の照明器具から強い光をあてないとパソコン作業ができない!」というわけではありません。
また本基準をよく読むと、「印刷工場での植字・校正作業」でも750ルクスという基準値が例示されています。しかし、小さなミスも許されない印刷の校正作業と、パソコン事務が中心のデスクワークを比べたとき、双方に同じ照度を求めるのはかなり無理があります。そのため近年、JIS照度基準を鵜呑みにせず、自社のオフィスに必要な照度をきちんと見極めようという動きが盛んになっています。
この点で参考になるのが、労働安全衛生規則第604条です。同条では、労働者の安全衛生に必要となる照度について、普通の作業では150ルクス以上、精密作業では300ルクス以上と定めています。一般的なデスクワークであれば、JIS照度基準が定める明るさは「過剰」だといえるのかもしれません。 なお、欧米では一般的なオフィスの場合、500ルクス程度を基準としている国が多いようです。
照度を下げれば、そのぶん電気代も抑えることができます。これは単にオフィスの環境改善だけでなく、社会全体の環境負荷を抑える意味でも価値があることだといえるでしょう。
「室温」「湿度」「照明」の3つに絞って、オフィスの環境改善のチェックポイントを整理しました。
もちろん、これらのほかにも、ゆとりある空間(収納、デスクや什器のレイアウト、人の動線の確保)、休憩スペースの充実、応接間や会議室の工夫(執務スペースとの距離、開放感ある設計)等々、快適なオフィス環境に影響を与える要素は多々あります。
安定した事業の遂行は、オフィスで日々汗を流し、頭脳を駆使する従業員の働きにかかっています。従業員の健康と安全の確保を第一としつつ、さらに快適なオフィス環境を求めて工夫してみてはいかがでしょうか。

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