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大逆転優勝を成し遂げた日ハム栗山監督のリーダー論

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大逆転優勝を成し遂げた日ハム栗山監督のリーダー論

大逆転優勝を成し遂げた日ハム栗山監督のリーダー論

プロ野球、パ・リーグのペナントレースは9月29日に日本ハムファイターズが西武ライオンズを1-0でくだし、5年ぶり7回目のリーグ優勝を飾りました。
今年のパ・リーグペナントレースは2年連続日本一に輝いていたソフトバンクホークスが下馬評通りに夏場まで独創を見せていましたが、日本ハムファイターズが15連勝をきっかけに最大11.5ゲーム差を跳ね返し、大逆転優勝を飾ったのです。その窮地でも全く弱さを見せなかった指揮官、栗山監督のリーダーシップにここでは注目してみましょう。

責任は全て自分が持つという、上に立つものとしての責任

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【引用元:デイリースポーツonline】

逆転優勝を成し遂げた栗山監督は、選手時代にはヤクルトスワローズの選手でした。しかし難病に掛かってしまい29歳で現役を引退。国立大学出身という経歴を買われて、語り口の穏やかなスポーツキャスター、大学で教鞭をとるなどなど、プロ野球選手としては異色の経歴を持っています。
そんな栗山監督ですが、他のチームの監督がやっていないことも色々経験している中で、逆に他の監督が持っている選手としての実績、また指導者としての経験にかけるというコンプレックスも同時に持っていました。しかしそれに押しつぶされること無く、自分の欠点は素直に認め、有能なコーチの力を借り、自分はあくまでも最終的に責任を取るポジションだと言う考えを徹底しています。栗山監督が負けたとのインタビューで「俺が悪い」という言葉をよく発します。選手への叱咤激励もよく述べますが、試合の勝敗の責任を選手に押し付けることは絶対に有りません。
選手やコーチを信じて彼らの力を100%発揮できる環境を作ることが監督の仕事であり、グランドに選手を送り出したあとは彼らに任せるという方針を徹底しているのです。試合中に細かく采配を行い、独裁型で力を発揮させる監督もいますが、栗山監督の場合は現場の最高指揮官、最高責任者として、ある意味試合前にその仕事を終えて、あとは見守っているといえるでしょう。

不振の4番を信じて使い続ける、信頼の強さ

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【引用元:タウン情報誌 Cityかまがや】

日本ハムファイターズの中心選手と言えば、中田翔選手です。その強面の外見とは異なり、非常に繊細な内面を持っていることでも知られています。不動の4番としてプロ野球、パ・リーグの日本ハムファイターズを支える中田翔選手ですが、打点王を獲得した2014年、初の30本塁打を打ったワールドプレミア12でも活躍した2015年と異なり、今年は大変苦労を重ねたシーズンでした。打率は2割台前半から伸びず、チームも前半は不振。チームの低迷の責任を自分の責任だと感じ、かなりの苦悩を持っていたようです。そんな彼は栗山監督と監督室において1対1で話した時に、「2軍に落としてくれ」と言おうと思ったそうです。しかし栗山監督は彼に対し「お前で駄目だったら仕方ない、俺はお前を信じる」という言葉をかけました。中田選手も「自分は何を考えていたんだ」と発奮。今シーズンは最終的に110打点を上げ2度目の打点王に輝く活躍を見せました。打率は2.50ちょうどと低かったものの、これほどの打点を挙げられたのは、ひとえに彼がランナーが居るチャンスの場面で強かったからといえます。チャンスで最大の力を発揮できる真の4番になり逆転優勝に大きく貢献と、今年はまた一段と成長したと言えるでしょう。思えば栗山監督が就任した2012年から、中田翔選手はずっと4番を定位置としています。一度任せた相手は信頼をし続ける。そんな粘り強さと監督としての懐の広さ、また有言実行っぷりが現れているといえるでしょう。

大谷選手の二刀流を認めつつ、決して甘やかさない姿勢

【引用元:BASEBALL KING】
【引用元:BASEBALL KING】

そして日本ハムファイターズで今年最も逆転優勝に貢献した選手といえば大谷翔平選手をあげない人はまずいないでしょう。昨年は最多勝を獲得し、投手として大きく成長したものの、打撃成績は2年目よりも低下し「二刀流も限界、投手への一本化」もささやかれていました。しかし今年は投げては二桁勝利で防御率1点台、打っては3割20本とまさに八面六臂の活躍でチームを牽引しました。惜しくも規定投球回規定打席には届かなかったものの、防御率1位で首位打者もかなり現実味を帯びています。
まさにプロ野球の常識を一気に覆した規格外の怪物ですが、栗山監督は以外にも大谷選手に関しては「こんなものじゃない」「腹が立つ」などといった厳しいコメントを多く残しています。これは二刀流という、これまでのプロ野球選手の規格を破るようなスケールの大谷選手に対しては、自分も規格に収まる評価をしていては彼を育てられないという自負からくるものといえます。大谷選手という超一級品の素材を預かり、誰しもが「二刀流にした意味があった」と思わせる有無を言わせない成績を残すまで、安易に栗山監督は褒めたり評価したりはしないのでしょう。逆に優勝を決めた西武戦で完封勝利を収めたときは、彼を絶賛しました。
褒めるべきポイントは褒めつつも、規格外のスケールに育てなければいけない大谷選手は、監督自身も強い意志を持って甘やかさずに育てていく、そんな責任感がコメントからは見て取れます。

パフォーマンスも忘れないプロ野球の監督としての自覚

【引用元:PAKUTASO】
【引用元:PAKUTASO】

栗山監督はキャスターやコメンテーターの経験が豊富であり、ある意味「テレビなれ」している面があります。今回の大逆転優勝を飾った後のインタビューで、栗山監督はこの優勝のことを「北の国から2016伝説」と命名し、この名前を記事などで使うように記者たちに伝えています。プロ野球は真剣勝負の場と同時に興行であり、自分が道化的なことを演じることで選手やファンを盛り上げていきたい、という考えを持っているのです。これはプロ野球を隆盛に導いた長嶋茂雄氏が1996年に同様の大逆転優勝を飾った時に「メイクドラマ」、中日と最終試合で優勝決定戦を戦うときには「国民的行事」と命名し、周辺から盛り上げてチームのモチベーションを喚起し、成功を導いたことを踏襲しているのです。
監督は現場指揮官であると同時に、一流のプロモーターでもあり、選手やチームを乗せていく役割も担っています。本塁打王を獲得したレアード選手も不振時に栗山監督に相談に乗ってもらったことを感謝し「栗山監督に恩がある、他のチームに行くことは考えていない」とまで言い切っています。
自分が道化になって選手をうまくノセていく、こういったパフォーマンスをいとわないのも栗山監督の強さでしょう。
栗山監督は自分の弱みを自覚し、部下や選手の力を借りて結果を導くことをモットーにしています。また同時に対外的なパフォーマンスも忘れず、結果と楽しさの両立をしてこそプロ野球という興行スポーツであることも理解しています。高いレベルで「プロ」という意識を持ち結果を残す。そのためには何が必要なのかを彼の行動から学べるのではないでしょうか。

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