アクセリード様とは、愛宕グリーンヒルズMORIタワーへの新規オフィス開設時からオフィスづくりを共にさせていただいております。今回、人員の増加に伴う上階への増床工事をご相談いただきました。計画に当たりデザインの主軸としてとらえた点が、東京タワーと六本木の都市を一望できる景色の素晴らしさです。この景色をオフィスの中に取り込むため、様々な「反射」というテーマを掲げ、目の前の東京タワーや景色がオフィスの中に存在するかのような設計をすることで、タワーから出ている一本の光が空間の中心を抜け、拡散しながら光が進み、無限に広がり続ける、まるで宇宙空間のようでもあるオフィスが誕生しました。

設計上のキーマテリアルは２つの反射素材です。窓と対面の壁には「INTELUX」という光を透過する特殊な「鏡」を一面に施し、オンラインミーティング用のモニターを内部に隠蔽することで、モニターを利用するときにだけその画面がふわっと浮かび上がる仕掛けをしました。光の流れの中心でもあるバーカウンターエリアには、反射率の違う「ステンレス」を複数組み合わせることで視覚的なゆらぎを演出しました。造作のバーカウンターには天板の輝きの強いもの、立ち上がりのやや粗めのもの、下がり天井には水面のように波打つステンレス板を貼り、様々な光の拡散を楽しむことができます。さらに夜には柱をライトアップし、東京タワーを臨む夜景と同じ空間にいるかのような幻想的な遊びを演出。昼間とは違った表情のあるオフィスとなりました。

また今回、アクセリード様らしさを体現するために徹底的に色にこだわりました。エントランスに入ると目に飛び込んでくるグラフィックは会長様のアイディアで、このオフィスの世界観そのものを表したアートです。ここから広がっていくように、コーポレートカラーであるグリーンとグループ企業の要である株式会社ARCALIS様（以下、ARCALIS様）のロゴから抽出したレインボー色を調和させ、アクセリード様の大地のような地盤の固さと、ARCALIS様の隕石のようなスピード感のある成長を表しています。原色に近い、彩度の高い色を用いることで楽しさと遊び心のある印象となり、ここを訪れる人たちに驚きと、感動を与えてくれます。
細部まで妥協せず、試行錯誤を重ね、お客様と共に創り上げたオフィスです。改めて、デザインの奥深さと重要性について感じる事ができたプロジェクトとなりました。