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経営の方向性が明確ではないことにお悩みではありませんか。企業の方針を決める手法に、MVVフレームワークがあります。今回は、MVVフレームワークの概要や策定手順、企業の事例について紹介します。
MVVフレームワークのMVVは、Mission(ミッション)、Vision(ビジョン)、Value(バリュー)の頭文字です。それぞれの意味について解説します。
Missionとは、企業や組織の社会に対する役割や存在意義のことです。企業や組織が社会に対してどのような価値を提供できるのか、事業を通じてどのような役割を担っていくべきかを表します。
企業や組織の現時点での立ち位置だけでなく、過去や未来に一貫して果たすべき使命をいいます。
Visionとは、企業や組織が実現したいとする理想像や中長期的に達成したいとする目標のことです。Missionが過去から未来に一貫して担うべき役割であるのに対して、Visionは将来の理想像をいいます。
企業の理想像は、多くの人がイメージできるような姿であるべきことから、事業が市場で果たすべき役割も示すものです。
Valueとは、MissionやVisionを達成するための行動指針や価値観のことです。企業や組織がMissionやVisionを実現するための行動指針や判断基準を表します。
MVVの策定は、実際にどのような手順で行えば良いのでしょうか。MVV策定に使えるフレームワークを3つ紹介します。
企業の成長のためには、改革が必要です。MVVフレームワークは、企業の指針を定める際に役立ちます。組織改革に使えるフレームワークやよくある課題については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:「組織改革のタイミングや成功のためのフレームワーク・進め方とは」
SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を分析するフレームワークです。
プラス要因 | マイナス要因 | |
内部環境 | 強み | 弱み |
外部環境 | 機会 | 脅威 |
内部環境として強みと弱み、外部環境として機会と脅威を分析します。また、それぞれ強みと機会はプラス要因、弱みと脅威はマイナス要因という関係があります。
SWOT分析は、企業や組織の存在意義や市場における立ち位置を明確にするのに役立つ方法です。自社の強みと弱みの分析で自社の存在意義を、市場動向から自社に対する機会と脅威の分析で自社の現在地を明確に把握できます。
PEST分析は、4つの観点から自社を取り巻く環境を明らかにする方法です。Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の切り口で、マクロ的な視点により分析します。
MVVフレームワークのMissionは、社会に対する自社の存在意義です。PEST分析で外部環境を明らかにすることで、自社が社会にとってどのような役割を果たせるか検討できます。
また、自社を取り巻く環境から問題点を見つけることで、自社にとってのチャンスをつかむきっかけになる可能性もあります。
3C分析は、競合を意識した分析方法です。Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から業界における自社の立ち位置を明らかにします。
3C分析でわかるのは、自社や競合他社が提供している価値やブランドの立ち位置です。3C分析で自社の現在地を知ることにより、将来的にどのような位置を目指すのか、市場においてどのような役割を果たしていきたいか、MVVフレームワークのビジョンの策定に役立ちます。
MVVは具体的にどのように定めていけば良いのか、策定の手順として5つのステップを紹介します。
MVVを策定する際には、まず目的の整理が必要です。経営陣の創業からの思いや事業の目的、将来のビジョンを明確にした上で進めていきます。
MVVの要素を具体的に策定していくには、自社の市場での立ち位置や現在地の理解も重要です。必要なデータを集めて、客観的に市場分析を実施します。
分析で意識しておきたいポイントは、現状のポジションの把握と今後提供したい価値です。市場分析では、3C分析やPEST分析などのフレームワークが活用できます。
経営陣の思いや自社の立ち位置など、整理してきた内容から、企業としてのミッションを策定します。
ミッションの策定で検討すべきことは、企業として社会にどのように貢献できるかです。企業としてやりたいことだけでなく、できることを明確にして、社会情勢や顧客のニーズを踏まえて策定します。競合他社のMVVも参考になります。
ビジョンは、自社が理想とする将来像です。MVVのビジョンは、ミッション策定後に決めていきます。ビジョン策定のポイントは、実現可能性などを含めて客観性を意識することです。
ミッションやビジョンを策定した後は、実現に向けた行動を示すバリューを決めていきます。
バリュー策定のポイントは、自社で大切にしたい価値観や目指したい場所、自社が遵守すべき規範などです。経営陣に限らず、管理職や現場で働く従業員の意見も広く取り入れ、バリューを策定します。
MVVを策定した後は、社内外に企業のミッションやビジョンが浸透するように、社内外への周知を行います。
社内で周知させる方法として、社内報や従業員が集まる決算報告会などがあります。MVVを意識した行動促進のために、人事評価項目に取り入れるのも方法のひとつです。
社外のステークホルダーへの周知方法には、自社ホームページへの掲載やプレスリリース、ソーシャルメディアでの発信などがあります。
MVVの企業事例
他社ではどのようなMVVが策定されているのか、大企業4社の事例(※)を紹介します。
※2025年7月時点の情報です。
トヨタ自動車株式会社は、日本を代表する自動車メーカーです。創業以来、創業者である豊田佐吉の考えとして「豊田綱領」を経営の核としています。
トヨタ自動車がバリューとしてパートナーに捉えているのは、顧客や社員、ステークホルダー、社会、コミュニティです。ともに唯一無二の価値をつくりだそうとする思いがあります。
ミッション | わたしたちは、幸せを量産する。 |
ビジョン | 可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える。 |
バリュー | ・トヨタウェイソフトとハードを融合し、パートナーとともにトヨタウェイという唯一無二の価値を生み出す |
出典:トヨタ自動車「トヨタフィロソフィー」
ソニー株式会社は、カメラや音響などの製品やエンタテインメントなどを事業としている会社です。ソニーのミッションやビジョンは、テクノロジーによる事業の実現や誰と関わっていきたいかを明確にしています。
技術提供によりクリエイターの可能性を広げるサポートをし、顧客に対しては想像以上のエンタテインメントを届けるビジョンを掲げています。
ミッション | テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する |
ビジョン | 世界中の人に感動を提供し続ける |
バリュー | – |
出典:ソニー株式会社「ミッション/ビジョン」
ソフトバンクグループ株式会社は、移動通信やインターネット接続サービスなどを提供する会社です。強みであるデジタルテクノロジーへの貢献により、誰もが便利に、かつ快適で安全に過ごせるビジョンの達成を目指しています。
策定されたバリューに込められているのは、努力は楽しいという創業者の思いです。変化の激しい通信業への対応において重要な考えが示されています。
ミッション | 情報革命で人々を幸せに |
ビジョン | 「世界に最も必要とされる会社」を目指して |
バリュー | ・No.1No.1を狙うからこそNo.1になれる。2番では見えない景色がある。 ・挑戦失敗を恐れず高い壁に挑み続ける。 ・逆算登る山を決め、どう行動するか逆算で決める。 ・スピードスピードは価値。早い行動は早い成果を生む。 ・執念あきらめない限り可能性は消えない。 |
出典:ソフトバンク株式会社「理念・ビジョン・戦略」
キリンホールディングス株式会社は、飲料や食品、医薬品のメーカーです。事業の中核である飲料や食に重点を置き、具体的な期日をMVVに盛り込んでいるのが特徴です。
ビジョンは、中長期計画と連動した2027年までのものとなっており、ビジョンを実現するための事業強化施策も公開されています。
ミッション | キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します |
ビジョン | (2027年までに目指す姿)食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる |
バリュー | ・熱意自由な発想で、進んで新しい価値をお客様・社会に提案することへの我々の熱い意志。会社やブランドに誇りを持ち、目標をやりきる熱い気持ち ・誠意ステークホルダーの皆さまのおかげでキリングループは存在しているということへの感謝の気持ち、謙虚な気持ちで確かな価値を提供し、ステークホルダーに貢献するという誠実さ ・多様性個々の価値観や視点の違いを認め合い、尊重する気持ち。社内外を問わない建設的な議論により、「違い」が世界を変える力、より良い方法を生み出す力に変わるという信念 |
出典:キリンホールディングス株式会社「経営理念」
経営の方向性を定めたいときに、MVVフレームワークは便利です。策定時には目的や創業時のビジョンにも立ち返り、市場での立ち位置も踏まえて、必要な要素を洗い出します。また、策定後は、社内外に浸透させるための施策が重要になります。
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