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経営戦略に必要不可欠!「ファシリティマネジメント」とは

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経営戦略に必要不可欠!「ファシリティマネジメント」とは

経営戦略に必要不可欠!「ファシリティマネジメント」とは

ファシリティマネジメントという言葉をご存知ですか?アメリカで生まれたこの考え方が経営の世界に持ち込まれたのは1980年代前後のこと。そのため日本のビジネスシーンでこの言葉が浸透しているとはまだ言いがたい状況です。しかし、これからの企業経営は、ファシリティマネジメントなしでは成立しないとさえいわれています。企業の経営管理に欠かせない概念、ファシリティマネジメントのごく基礎的な概要をまとめました。

ファシリティマネジメントはどのような概念か

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

ファシリティとは企業が保有・管理・使用する不動産や備品など、企業活動の現場のあらゆる施設設備を意味する言葉です。ファシリティマネジメントとは、『企業や団体が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動』と定義されます(FM推進連絡協議会編『総解説ファシリティマネジメント追補版』日本経済新聞出版社2009年3月発行、P3)。
冒頭で述べたように、ファシリティマネジメントはアメリカ生まれの考え方です。アメリカでは、ファシリティマネジメントの考え方が生まれる前からCRE(Corporate Real Estate)という言葉があり、経営の世界で一般的に通用していました。
CREとは、土地建物など企業が保有・管理・使用する不動産のことです。所有する不動産だけでなく、賃借している不動産も含まれるのがCREの特徴といえます。アメリカの多くの大企業では、ファシリティマネジメントが導入されるよりも前に、まずCREが経営管理の一部門として広く浸透していました。
ファシリティマネジメントは、CREの活動をさらに広げたものであり、単に不動産の管理に従事するという実務的な業務だけでなく、ファシリティの活用法を企業全体の経営戦略のなかに盛り込み、一つのプロジェクトとして管理しようというのが、アメリカで行われているファシリティマネジメントの実態です。

経営戦略と不可分のファシリティマネジメント

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

ファシリティマネジメントの重要性はしごくもっともなことです。たとえば、みなさんの暮らす家のことを思い浮かべてください。
自宅を所有している方、賃借している方どちらであっても、「家に住む」という活動には相応のコストがかかります。購入費、固定資産税、賃料から始まり、修繕費、水道光熱費、家具家電など、実に多くのコストがかかります。人間が暮らしていくために「家に住むためのコスト」は負担が絶対に避けられないコストであり、また総支出のなかに占める割合も相当なものです。
これとまったく同じことが企業においても妥当します。企業活動に欠かせない不動産や什器、備品などの施設設備にかかるコストをどうやって管理するか、これがファシリティマネジメントのもっとも基本的な内容です。
「そうだとしたら、別に新しい概念でもなんでもない。日本の企業も昔から同様のことをやってきたはずだ」と思うかもしれませんね。しかし、いま説明した内容はファシリティマネジメントの中核部分にすぎません。その周辺から外縁部にいたるまでには、さらに多くの内容がつまっています。日本の経営管理の現場では、この周辺部分がおろそかにされてきたのです。
施設設備を導入する段階から、計画・建設・運営・そして解体処分までの全ての経過に注目するライフサイクルマネジメント(LCM)、施設設備をめぐる企業活動が地球環境に与える負荷を考える視点、そして単に不動産等の管理だけでなく、施設設備を社員が有効に知識創造の場として活用できるようデザインやセキュリティなど種々の観点から設計を見直すワークプレイスの視点。
これらは一例ですが、すべてファシリティマネジメントの重要な内容であり、これまで日本の企業があまり省みてこなかった経営管理項目だといえるでしょう。どれも現代の企業活動において経営管理と一体不可分の関係にあることは一目瞭然です。

ファシリティマネジメントの具体化その1~現状評価

【引用元:写真AC】
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では、ファシリティマネジメントは、具体的にどのような流れで実践していくのでしょうか。本来、業務分野が異なればファシリティマネジメントの内容も当然変わりますが、ここでは説明をシンプルにするために、ファシリティマネジメントのプロセスの要点だけを説明します。
まず必要なことは、企業の施設設備の現状評価です。これがなければファシリティマネジメントは始まりません。現状評価を実施するためには、最低でも以下の3つのデータが必要になります。
(1)財務評価用のデータ:施設設備における1平方メートルあたりのファシリティコスト、従業員1人あたりの施設面積、1平方メートルあたりの施設資産金額(いわゆる簿価)など。
(2)品質評価用のデータ:施設設備の利用者満足度、信頼性評価のための耐震安全性データ、環境保全性評価に欠かせないLCCO2(ライフサイクル全体における二酸化炭素排出量)データ、エネルギー消費量データなど。
(3)供給評価用のデータ:施設設備における従業員や顧客の活動実態から算出するスペース利用率、スペース稼働率、部門別1人あたりの有効面積など。
このような一連のデータを抽出し、企業が保有するファシリティの現状を緻密に評価するのです。この作業にはかなりのスキルとコストが必要ですので、ファシリティマネジメントに精通したコンサルタントの助力が欠かせません。

ファシリティマネジメントの具体化その2~戦略立案

【引用元:写真AC】
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企業の施設設備の現状評価が完了したあとは、経営戦略にファシリティマネジメントを組み込んでいきます。各企業には固有の経営戦略があります。ファシリティマネジメントをどの程度重視するかを判断し、経営戦略に反映していきます。
事業全体の収益性や効率的な経営の視点から、不動産のライフサイクルマネジメントやワークプレイスのチェックを厳しくすることもあるでしょう。また昨今の環境経営に対する社会の眼の厳しさをふまえ、環境負荷をできるだけ少なくできるように施設設備の管理に重点を置くこともあるでしょう。
ファシリティマネジメントを経営戦略に組み込むことには、コスト管理を超えた大きなメリットがあります。それは、ファシリティマネジメントの視点で企業活動全体を評価しなければ見過ごされてきたであろう全社的な課題を発見できるということです。
たとえば環境負荷の問題です。大規模な工場を抱える企業の場合、大抵、工場は工業団地などに集中しています。そのため、法律で求められる環境負荷基準を満たせば、それ以上のマネジメントは必要ないと考えられてきた節がありました。
しかし最近では、工業団地の周辺に住宅地が整備されることも増えています。事業撤退により工業団地の土地が縮小し、住宅販売会社に売却されることで、工場が集中する地域に住宅街ができあがる例もあります。騒音や煙害などの公害対策をおろそかにすれば、企業に対する消費者のイメージも悪化します。環境負荷の視点でのファシリティマネジメントによって工場の施設設備を見直すことが急務となる一例といえるでしょう。
また古い工場を取り壊し、新しく建築するような場合では、当初の環境負荷基準と現在のそれとでは大きく乖離していることが予想されます。環境問題については国も敏感になっているので、法令による規制を年々厳しくしています。昔の頭のままで、「通り一遍の環境対策をすればいいか」などと楽観視していたら行政の建築許可が下りなかったという事態もありえます。環境負荷の視点からファシリティマネジメントを実践すれば、そのようなトラブルも回避できるので安心でしょう。
施設設備のマネジメントにおいては、賃料、税負担や修繕費などの従来からあるコスト管理はいわば骨組みのようなもの。企業体として円滑にまた永続的に活動していくためには、骨組みにプラスされるたくさんの問題を処理しないといけません。ファシリティマネジメントの概念が年を追うごとに複雑化しているのも、現代の企業活動の複雑化を反映したものといえるでしょう。

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