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マネージャーなら知っておきたい、IoTを活用したビジネスモデル

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マネージャーなら知っておきたい、IoTを活用したビジネスモデル

マネージャーなら知っておきたい、IoTを活用したビジネスモデル

Internet of Thingsを略してIoT。「モノのインターネット」と日本語訳されるこの新しい言葉は、ビジネスの新しい原動力となる大きな可能性を秘めています。さまざまなメディアでこのIoTというワードが頻繫に出てくるので、「いったいIoTとはなんだろう?」と疑問に思っているビジネスマンも多いのではないでしょうか?IoTの基本概念からIoTを活用したビジネスモデルまで、ポイントを駆け足でご紹介します。

ネット社会の新たなインフラ、IoTとは何か

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

インターネットは「人間が使用することを前提に制度設計されたネットワーク」です。ところがIoTは、「モノのインターネット」という言葉に示されるとおり、人間が介在せずとも、インターネットを介してつながったモノ同士が自動で連携し、さまざまなサービスを提供してくれます。
IoTを構成する3つの要素が、「デバイス」「センサー」「インターネット」です。この3つがそろうことで、たとえば次のようなサービスの提供が可能になります。
「冷蔵庫(デバイス)にセンサーをつけて、食材の在庫を常時管理。把握した在庫情報に基づいて、おすすめのレシピを自動ではじきだし、そのレシピを冷蔵庫の扉に設置したモニターに表示する。帰宅した冷蔵庫の持ち主が、モニターに映し出されたレシピを参考にしながら、冷蔵庫のなかの食材で料理を作ることができる。また持ち主がスーパーで買い物をする際、スマートフォンで決済することで、食材のデータ(商品名や消費期限など)がアプリ経由で自動で冷蔵庫に送信されたり、冷蔵庫がその日の在庫を使ったレシピをスマートフォンに送信したりすることもできる」
こういった夢のような技術の一部はすでに実用化されており、IoT機能を搭載した電子レンジや冷蔵庫などが発売されています。

IoTにはどんな技術が使われているか

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

IoTとは、端的にいえば2つの情報処理で構成される技術です。
1つ目が「センサーを設置したデバイスで収集したデータをサーバに送る」というもの、2つ目が「送られたデータを必要な形に処理したあと、ふたたびサーバを通過し、インターネットを経由してセンサーを設置したデバイスに送る」というものです。
これら2つの情報処理を可能にしたのが、CPU、メモリ、CPUやメモリをまとめるマイコン、センサー等の超小型化・高性能化・低コスト化の技術です。
特に重要な技術が超小型化と低コスト化の2つです。スマートフォンやウェアラブル端末のように小さなデバイスの場合、IoTを可能にするCPUやメモリ、センサーは当然可能なかぎり小型でないと実用化できません。また、IoTサービスがさまざまな分野の多種多様なデバイスで機能するためには、低コストで技術を運用できることも必須条件といえます。
さらに、IoTサービスの実用化には、いわゆる「クラウド」と「ビッグデータ」の存在も大きな影響を与えています。
これまで個々の企業がサーバやインフラの構築を行っていたコストをクラウドに代用させることで、サーバやインフラ構築にかけていたコストをIoT開発に移せるようになりました。その結果、より多くの企業がIoTサービスの開発に参入できるようになり、技術開発のスピードが急激に増したのです。
また、IoTサービスは膨大な情報を扱うことになるため、集めたデータを早く詳細に分析するビッグデータ産業の経験が、そのままIoTのノウハウとして転用できたという点も見逃せません。
このように、IoTが近年急速に浸透しつつある背景には、CPU・マイコン開発など従来から高度な発展を続けてきた技術に加え、クラウドやビッグデータといった最新のIT技術の応用もあるのです。

IoTを活用したビジネスモデル~象印の場合

【引用元:写真AC】
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ここからは、IoTサービスを効果的に活用した事例として2つのケースをご紹介します。
1つ目が、象印の「みまもりほっとライン」です。これは無線機能を搭載した専用卓上ポット「i-pot」を購入し、「みまもりほっとライン」と契約を結ぶことで、利用者の生活状況をリアルタイムに確認できるサービスを受けられるというもの。卓上ポットのボタンを押すと、その使用状況に関するデータがサーバへ送信され、契約者の家族など事前に登録した人のメールアドレス等にデータが転送されるという仕組みです。
ポットには専用の「おでかけボタン」がついており、外出時と帰宅時に押すことで、家族に利用者の外出・帰宅時間を通知するという便利な機能があります。これは軽い認知症をわずらっている利用者の行動パターンなどを遠方から把握することもできるので便利です。
使用状況のデータは1週間分をまとめて専用ホームページ上で確認できるので、1人暮らしをしている高齢の親の生活実態を推測し、生活改善策を講じるための資料として活用することができます。
高齢者や認知症患者の在宅介護は、家族にとって大きな負担となる場合があります。IoTを駆使することで「がんばらない介護」に対する偏見が少なくなれば、介護の担い手をいかに確保するかという深刻な問題にも解決の糸口を見出せるかもしれません。

IoTを活用したビジネスモデル~ドコモの場合

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

2つ目のビジネスモデルが、ドコモの「ムーヴバンド3」です。これはスマートウォッチのIoT版とでもいうべき最新型のデバイスです。腕時計と同じように巻くだけで、歩数状況をリアルタイムで専用サーバに転送。すると、1日をアクティブモードと睡眠モードに分割し、それぞれのモードに応じて、さまざまな分析結果を専用アプリに表示してくれます。
アクティブモードでは、「歩数」「消費カロリー」といった基本的なデータはもちろん、早歩きや走行の時間を算出する「アクティブ時間」や「移動距離」もデータ化されるというすぐれもの。
他方、睡眠モードでは、センサーが体の動きを探知することで眠りの深さをデータ化したり、体の動きから眠りの浅い状態を探知してタイミングよく目覚ましアラームを鳴らしたりと、リアルタイムにデータを分析してマイコンに指示信号を送るIoT技術ならではの製品だといえるでしょう。
健康管理にはコストがかかります。診察代や薬代はもちろんですが、野菜、サプリメント、トクホや機能性表示食品を摂取するための費用など、病気の予防のためにも相応のコストがかかります。
病気予防にとってもっとも簡単で安価な方法は「ウォーキングなどの負荷の軽い運動」です。だからこそ歩数計は健康管理を気にする人たちの必須アイテムとして、超ロングセラー商品となっているわけです。
このように「ムーヴバンド3」は、誰でも簡単に自分の活動量を正確に把握し、健康対策に応用することを可能にしてくれます。人間の生み出すあらゆるデータを価値に変換するのがIoTの本質ですから、まさにIoTの機能を存分に活かしたデバイスだといえるでしょう。
またムーヴバンドは、経済産業省の「IoTを活用した糖尿病予防・健康増進活動の効果検証事業」に選ばれていることも特筆すべきことでしょう。IoTサービスによって、日本人の病気予防や健康維持に関わる事業も大きく発展することが期待されます。
IoTの市場は急成長を続けています。ある調査によれば、2021年までに11兆円規模に成長すると予測されています。他方で「IoTの導入が市場の拡大にどの程度貢献するか?」という問いに対しては、国内各企業は(海外の企業に比べると)かなり控えめに見積もっているようです。これはIoTサービスの実用化が始まったばかりで、市場予測のための材料が少ないことが影響しているのでしょう。
しかし、IoTが日本でも新たな産業インフラとなるのはそう遠くない未来の話です。ライバル企業に先を越されないよう、この新しい技術を活用したビジネスチャンスをつかんでください!

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