昨今の情報技術の発展に伴い、「ICT」という言葉が聞かれるようになりました。「ICT」は、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)を略したもので、既に一般に浸透したITの概念を更に掘り下げ、コミュニケーション性を強調した技術を指します。これに伴って、企業ではeリーダーと言われるスキルが必要になってきています。ではそのスキルとはどのようなものか見ていきましょう。
そもそもeリーダーとはどのようなものかを見ていきます。
eリーダーとは、経営戦略の視点からプロジェクトを組織的にけん引するスキルと、ICTについての知識と実務経験を持つ人材のことです。欧米ではグローバル化やデジタル化を想定して、新たなビジネスを作り出したり、今あるビジネスをより将来を見越したものに変えていくための役割を担うポジションとしてeリーダーが推奨されています。
何故eリーダーの必要性が推奨されているかというと、現在インターネットを通じて行われているオペレーションは膨大な数となり、企業側の知識がビジネスの上で必要な最新のデジタル技術に追い付いていない現状があるためです。企業の業績を向上させるために、よりコミュニケーション性が進んだICT(情報通信技術)を利活用したイノベーションと、生産性を向上させるためのリーダーシップが求められています。このeリーダーシップの能力は多くの企業に必要とされ始めている中、現状の経営者のスキルとしてICTに関わる知識、また最新のビジネスに関わる知識や経験が不足している状況となっています。特に比較的フットワークが軽く、フレキシブルに対応出来る中小企業には、eリーダーの存在は大変意義深いものであると言えます。
eリーダーとして必須とされるスキルには3つの要素があり、これらのスキルが求められています。
・Strategic Leadership (戦略的リーダーシップ)
・Digital savvy (デジタルについての知識や経験)
・Business savvy (ビジネスについての知識や経験)
これは欧州委員会が発行している『e-Leadership Skills for Small and Medium Sized Enterprises – Final Report』で紹介されています。
現状ではICTにおける人材不足が加速している中で、中小企業の経営者にも求められるスキルとなっており、その育成が急がれています。将来的な企業の業績向上の布石として必要なこの3つのスキルについて説明していきます。