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急な家賃値上げに慌てないために……知っておきたい適正賃料とは

オフィスのお役立ち情報

急な家賃値上げに慌てないために……知っておきたい適正賃料とは

急な家賃値上げに慌てないために……知っておきたい適正賃料とは

オフィスには色々な形態がありますが、部屋をオーナーから借りているケースの場合、見逃せないのが賃料です。基本的に「物件を貸している」という事情からオーナーの方が立場が強く、賃料に関してもオーナー主導で決まる場合が多いものです。もし仮に賃料値上げという要請が来た場合、どのように対処したらよいのでしょうか、適正賃料という観点から考えていきましょう。

物件選定、賃料決定に至るプロセス

【引用元:pakutaso】
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オフィス開業や移転などの時、はじめにするべき作業は物件の選定です。当然のことながら、業務を行う上で様々な面(立地条件の良さ、効率的に仕事ができるレイアウトを組めるかなど)から、最も条件に合致した物件を選ぶのがベストですが、首尾よく物件が見つかっても、次の段階があります。それは当該物件のオーナーとの賃料交渉です。基本的にオーナーは、物件を貸す側なので借り手よりも強い立場であり、賃料もオーナー側主導で決められる傾向にあります。契約成立は賃貸仮契約書に基づいて行われますが、ここに賃料(家賃)が明記される場合もあれば無い場合もあり、話し合いによる口約束というケースも多くなります。
さて、オーナー側が提示した賃料に納得し、無事に契約が成立したとしても必ずしも安泰、というわけにはいきません。経済状況等何らかの環境の変化があった時、オーナー側から「賃料値上げ」の交渉を突然されるかもしれないのです。物件を借りている側からすればまさに面食らった状態になるかもしれませんが、こうした場合に備えてあらかじめ準備をしておくのが必要なのは言うまでもありません。その時にキーワードとなるのがまさに「適正賃料」なのです。

適正賃料とは。基本的な算出方法

【引用元:pakutaso】
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企業側の視点に立つと、オフィスの賃料というものは、人件費に次いで多くコストのかかる経費です。適正賃料は物件によって変わってくるものであり、一概には言えませんが一つの基準というものが存在します。すなわち「起業時といった人数が少ないケースを除き、企業があげるであろう利益(粗利益)の10パーセントから20パーセントの範囲」もしくは「1か月の適正賃料は売り上げの3日分(月の売り上げの9パーセントから10パーセント)」が妥当とされているのです。
しかしながら、物件の価値と同様、企業の利益構造も千差万別なので特定の賃料は算出しにくいものです。そこでカギとなってくるのが、同業他社における適正賃料の比較調査という手段です。
とある調査では、従業員規模、業種という2つのアプローチから適正賃料の算出を行っています。それによれば、従業員が少なければ少ないほど売り上げに対する賃料の割合が高いという結論が出ています。これは従業員が少ない分、オフィスをデスク以外で利用する部分、すなわちトイレや休憩室といった場所で使っている割合が大きいことに起因します。一方で業種に関しては、より多くのお客様を呼び寄せる必要のある飲食業やホテル業などは、一等地などに店舗を構える必要があるので自ずと賃料も上がり、逆に従業員のみの稼働で済む製造業といった業種はオフィスは必ずしも一等地である必要がないことから(郊外でも良く)、賃料も下がります。

また、下記の記事では、オフィス賃料の相場について詳しく紹介しています。

オフィス賃料の相場は?適切な賃料の判断基準や見直し方も解説

準備を整えて、いざオーナーと交渉!

【引用元:pakutaso】
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上記に挙げたような適正賃料の知識をしっかりと頭に入れた上で、オーナー側と賃料値上げに関する交渉をしてみましょう。実際にバブル経済崩壊以降、物価や給与水準は下落の一途をたどってきましたが、(バブル期の象徴ともいえる)賃料だけは昔と変わらず現在でも高い水準で推移しているのです。そうした背景から賃上げに関する交渉も、借り手側が有利に事を運べる(賃料を現状維持にできる)可能性が高いです。ただし、注意することも何点かあります。
まずは、あくまで「適正賃料」を話し合う場である、ということを自覚する必要があります。本来あるべき適正賃料をオーナーとの話し合いによって妥協点を見つける交渉になるので、勘違いして値下げを求める交渉までしてはいけない、ということを肝に銘じておきましょう。オーナーに対する心証が悪くなる(今後の賃料に関する交渉がやりづらくなる)という結果につながりかねませんので注意が必要です。
次に、入居後まもない交渉は控えておくのが賢明です。こちらに関してもオーナーの心証を悪くし、その後の関係を悪化させてしまう原因となります。最低でも2年間の契約期間をおいたのちに適正賃料に関する交渉を行った方が良いでしょう。
そして、適正賃料に関してあらかじめ調べておいた資料を持参するのも手です。資料を元に、理路整然と状況を説明すれば、オーナー側も納得してくれるでしょう。

そもそも賃料アップに慌てないための物件選びを

【引用元:pakutaso】
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最後に、突然の賃料アップに慌てないためには、最初に物件を選ぶときに行う賃料の調査を日頃から行うべき、ということを検証していきます。
物件を探す時、最近はインターネット検索(大手不動産のサイト)が主流となってきています。しかし、実はこうした検索サイトは募集物件の賃料を非公開にしているところが多い実態があります。なぜなら賃料は水物であり、その時の状況によって刻々と変化するものだからです。したがって、検索サイトの情報を元に契約を検討するとしても、実際にオーナーから賃料を提示されて驚くことのないよう、その時点での賃料相場を理解した上で行動するようにしましょう。
さて、その賃料相場を把握するにはどのようにしたら良いのでしょうか。結論から言えば自分の足で情報収集をするしか道はありません。実際に業者に赴いてリサーチしてみたり、インターネットの業者サイトを数多く見比べて把握するのがベストです。
こうした調査は、オーナーからの突然の賃料アップ要求にも冷静に対応できる「事前学習」となります。感情的な交渉となって不利になるよりは、あらかじめその時点での賃料相場を調べておくのが良いでしょう。そうすることで(適正賃料を知っておくことで)お互いの妥協点を見出しやすくなるのです。
以上見てきたように、オフィス物件を借りる側としては、オーナーから突然賃料値上げ要求をされたとしても、それに対処できるような事前調査が必要となります。すなわち、その時点での「適正賃料」を周到に調べ上げておくことが、企業の営利活動において賃料というコストをムダにかけないための秘策となるのです。

​オフィス物件を探している際、ある程度絞れてきたら内覧に行きますよね。内覧はとても重要なのでこの時にしなければならないことをきちんとリストアップしておきましょう。ここでは実際に物件の内覧に行った際、見るべきところやチェックすべき点をわかりやすくご説明します。内覧に行くときは女性目線で見なければいけない部分もあるので、できれば男女両方で行くのがおすすめです。
​内覧時に見るべきところ
【引用元:写真AC】
​・オフィスレイアウトに合うか実際に物件を選ぶのと同時にオフィスレイアウトを考えるのが一般的ですが、できればオフィスデザインを担当している人も一緒に内覧に同行してもらうのが良いでしょう。・他にどんなテナントが入居しているか?ビル自体は良さそうでも、他に入居しているテナントの雰囲気が良くなかったり、競合している会社があるようでは困りますよね。また、ひとつのフロアにいくつもの会社が入居している場合には共有部分の利用もありますので必ず確認、検討すべきです。ビル自体の顔でもある1階にどんなテナントが入っているかも重要です。飲食店や店舗などの場合もしかりです。入居テナントを見るとオーナーの審査基準も見えてきます。・天井天井の高さは一般的に2.5m以上あると快適に仕事ができると言われています。あまりにも天井が低いと圧迫感を感じやすくなってしまうので注意したいポイントです。また、旧オフィスで使用していたパーテーションを再度使いたいという場合はそれができる高さの天井の物件を探す必要があります。その他、天井には照明や空調、火災報知器などがついています。これらはレイアウトに大きくかかわってきますのでその位置や大きさを見ておきましょう。・日あたりもちろん眺望がいいのに越したことはありませんが、全面ガラス張りで日当たりがきつすぎる物件も考えものです。合わせてきちんとブラインドが設置されているかどうかも確認しておきましょう。また、窓が開閉できるかは空調コストにかかわってくるのでこれも確認しましょう。・設備面コンセントの位置や数はもちろん、OAフロアの有無や電気容量、各種回線有無や電気水道の契約方法、空調の種類やセキュリティの有無、駐車場の有無などは基本的な確認事項ですので漏れのないようにしましょう。・環境外や隣からの騒音などはありませんか?また室内の匂いなども実際に内覧してみて初めて確認できるので、物件情報ではわからない現状を観察しましょう。換気が悪い室内も仕事に支障が出てくるので、はじめに確認しておきましょう。原状回復工事が済んでいるのにもかかわらず、なにか汚れや破損を見つけたならその場で申告しておかなくてはいけません。
​周辺環境もきちんと確認を
【引用元:写真AC】
​内覧に訪れる際には最寄駅からの所要時間や経路をきちんとチェックする必要があります。また、社員が通勤に使うことになる交通機関やその混雑状況、取引先へのアクセスなども把握しておきましょう。毎日通うことになるオフィスの中はもちろんですが、オフィスの周辺環境も働く人々にとって大切な要素です。オフィス周辺の治安が悪いのは、あまり良い環境とは言えません。内覧に行く物件周辺には飲食店や商業施設、コンビニはありますか?また、銀行やATM、郵便局、病院などがあればなお便利と言えます。物件周辺の車道や歩道の混雑状況も見ておきましょう。夜間遅くまで働くことが多い職場などは、タクシーがつかまえやすいかなども調べておくといいでしょう。合わせて周辺にお客様になりそうな業種の会社などはないかなども見ておくと良いですね。物件に着いたら実際に使うオフィスの内部だけでなく、ビルの共有部分についても見ておく必要があります。・エレベーターエレベーターの台数が充実していれば問題はありませんが、多数のテナントが入っているにもかかわらずエレベーターの数が少ないようだと出勤時間や昼休憩の時間に混み合ってしまって時間のロスになってしまうことがあります。また、搬入搬出などを頻繁に行うような業種の場合は貨物用エレベーターがあるかどうかもポイントになります。これがないと一般のエレベーターを占有してしまう場合が出てきてしまい、他テナントからクレームが入ることもあります。そして、エレベーター内部の清潔さもポイントのひとつです。・共有部分給湯室はきちんと清潔が保たれていて使いやすいでしょうか?トイレはウォシュレットなどが付いているかの設備面や清潔感があるかもチェックしておきましょう。喫煙者にとっては不可欠な喫煙ルームもあるか確認しておきましょう。
​内覧時に見落としがちなポイント
【引用元:写真AC】
​最後に、つい見落としてしまいがちな内覧ポイントを挙げていきます。入居してから気づいたのでは遅いので、しっかりと漏らさずに確認しておきましょう。・電波状況まずはその物件内の電波状況です。まれにオフィス内で電波が繋がらない、という場合があります。社内の主要な場所では各キャリアの電波がきちんと繋がるかどうかを確認しておきましょう。・オフィスビルのエントランスエントランスの開閉時間や休日の出入りが可能かどうかは必ずチェックしましょう。また、エントランスはビルの顔でもあり、そこに入居しているテナントのグレード感も現れてきます。テナント掲示板がきちんとしているか、分煙化されていて喫煙コーナーがあるかなどもチェックしておきましょう。来客者や入社志望者が最初に目にするエントランスですので、自社のイメージに合った印象のエントランスであるかを見ておきましょう。・水周り以外の共有部分メールボックスや駐輪場、ゴミ置場などがきちんと清潔に保たれているかの確認も大切です。他のテナントのマナーや管理状態の良し悪しもこれでわかります。・設備の使用可能時間24時間使用可能な物件だったとしても、エントランスの閉まる時間や閉まってからエレベーターが止まる物件があります。時間外にオフィスを利用する場合、セントラル空調の物件だと夜間の空調が使えないことがあります。・ビルオーナー入居テナントのところでも触れましたが、ビルオーナーの審査基準が甘そうな物件と、品格のある企業が名を連ねる物件ではオーナーの対応がかなり違ってきます。に長期的にお付き合いしていけそうな安心感のあるオーナーかどうかもきちんと見ておきましょう。以上のようにオフィス物件の内覧はとても奥が深いということをお分かりいただけたと思います。1日に何件も内覧に行くのはとても大変な作業になりますので、ひとつひとつ丁寧に漏れのないよう確認しましょう。あらかじめチェック表を作っておくとスムーズに確認することができ、時間短縮もできるでしょう。

オフィス賃料の相場については、下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひ、こちらも参考にしてみてください。

オフィス賃料の相場は?適切な賃料の判断基準や見直し方も解説

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