オフィスの働きやすさや生産性を高める方法として、従業員のストレス軽減や健康維持に寄与する「オフィス緑化(オフィスグリーン)」が注目されています。近年の調査でも、多くの労働者が強いストレスを抱えている現状が明らかになっており、企業には環境改善への取り組みが求められています。
今回は、オフィス緑化の効果や設置方法、成功のポイントについて解説します。
オフィス緑化(オフィスグリーン)が注目される背景
オフィス緑化は「オフィスグリーン」とも呼ばれ、労働者のメンタルヘルス対策として近年注目を集めています。厚生労働省の調査データから、その背景にある深刻な課題が浮き彫りになっています。
厚生労働省が実施する労働安全衛生調査によると、仕事や職業生活に関して強いストレスを感じる労働者の割合は、平成25年時点で52.3%でしたが、平成30年には58.0%まで上昇しました。
さらに令和4年(3年度調査)では82.2%、令和5年(4年度調査)では82.7%と8割を超える水準に達しています。最新の令和6年(5年度調査)では68.3%とやや減少したものの、依然として7割近い労働者がストレスを抱えている状況が続いています。
このような労働者のメンタルヘルス悪化を背景として、企業は従業員の健康管理に経営視点で取り組む「健康経営」の実現が求められています。
オフィス緑化は、植物を鑑賞することを通じた、ストレス対策の有効な手段として導入する企業が増えています。
出典:厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」
オフィス緑化がもたらす効果
オフィスに植物を取り入れることで、従業員の心身の健康や職場環境の改善につながるさまざまな効果が期待できます。ここでは代表的な2つの効果について解説しましょう。
ストレスの軽減
植物を視界に入れることで、精神の安定を示す脳波であるアルファ波が増幅することが研究で明らかになっています。
アルファ波の増加によって心拍数が安定し、筋肉の緊張も緩和されるため、日常的に植物を目にすることがストレス軽減につながります。
目の疲れを和らげる
緑色を見ることで目の疲れを和らげる効果も期待できます。パソコン作業が中心となっている現代のオフィスでは、長時間のディスプレイ注視によって眼精疲労を訴える従業員が少なくありません。
デスク周辺や休憩スペースに観葉植物を配置することで、視覚的なリフレッシュ効果が得られ、目の疲労回復をサポートします。
コミュニケーションの活性化
オフィス緑化には、社員同士のコミュニケーションを促進する効果もあります。植物によって緊張がほぐれリラックスした状態になると、自然と会話が生まれやすくなり、職場内のコミュニケーションが活発になります。
円滑な人間関係が構築されると、情報共有がスムーズになり業務効率化にもつながります。さらに、良好な職場環境は従業員のエンゲージメントを高め、仕事への意欲向上にも寄与します。植物という自然要素を介して、組織全体の活性化が期待できるのです。
オフィス緑化の例
オフィス緑化はさまざまな業種・規模の企業で導入が進んでおり、それぞれの空間特性や目的に応じた緑化手法が採用されています。ここでは、MACオフィスが手がけた施工実績の中から、特徴的なオフィス緑化の事例を2つご紹介します。
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緑に囲まれた安らぎのある空間(株式会社石垣様)
エントランスから執務エリアまで、随所に観葉植物を配置することで、オフィス全体に安らぎをもたらす空間デザインを実現しています。大型の観葉植物を効果的に配置することで視覚的なアクセントを作り出し、来訪者に好印象を与えるとともに、従業員にとっても心地良い職場環境を提供しています。
植物の配置は動線を考慮しながら、執務スペースでは集中力を維持しつつリラックスできるよう、デスク周辺に適度な緑を取り入れています。休憩エリアにはより多くの植物を配置し、短時間でも効果的にリフレッシュできる空間を創出しました。
自然光が差し込む窓際には光を好む植物を、室内の奥には耐陰性のある品種を選定するなど、植物の特性を活かした配置計画により、美しい緑の景観を長期的に維持できる工夫が施されています。
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温かみのある居心地の良いオフィス(株式会社イデラキャピタルマネジメント様)
MACオフィスが手がけたセットアップオフィスの事例です。木目調の家具やナチュラルな内装デザインに植物を組み合わせることで、ビジネスシーンでありながらも温かみと居心地の良さを感じられるオフィス空間を実現しています。受付エリアには存在感のある観葉植物を配置し、入居企業が来客を迎える際の第一印象を高める役割を果たしています。
ミーティングスペースやブレイクエリアには、会話を促進する柔らかな雰囲気を演出するために、適度なサイズの植物を複数配置しました。植物の緑と木目の調和により、リラックスした状態でコミュニケーションを取りやすい環境が整っています。
デスク周辺には小型の観葉植物を設置し、入居後の日常業務の中でも自然を感じられるよう配慮しています。細やかな緑化計画により、入居企業の従業員のストレス軽減と生産性向上を両立させた事例といえます。
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オフィスグリーンの設置方法
オフィス緑化を実現する方法はさまざまあり、空間の広さや用途に応じて最適な手法を選ぶことが重要です。ここでは、代表的な3つの設置方法をご紹介します。
鉢植えを置く
鉢植えの観葉植物を配置する方法は、オフィス緑化の最も手軽で一般的なアプローチです。執務スペースのデスク周辺や休憩スペースに小型から中型の植物を設置することで、従業員が日常的に緑を感じられる環境を作ることができます。
設置の際は、動線を妨げない場所を選ぶことが鉄則です。通路や出入口付近に置くと従業員の移動の妨げになり、かえってストレスの原因となる可能性があります。
エントランスや会議室といった来客の目に触れる場所には、背の高い観葉植物を配置することをおすすめします。視覚的なインパクトがあり、企業イメージの向上にもつながります。また、受付カウンターやソファ周辺に植物を置くことで、来訪者に安心感と好印象を与える効果も期待できます。
壁や天井から吊るす
オフィスが手狭で床面に植物を置くスペースが確保できない場合は、天井や壁から吊るす方法が有効です。小型の植物をS字フックやハンギングポットを使って天井から吊るすことで、床面積を圧迫することなく緑化を実現できます。
吊り下げ式の植物は圧迫感がなく、むしろ開放感のあるオフィス空間を演出します。デスクワーク中にふと視線を上げた際に緑が目に入ることで、さりげないリラックス効果が得られます。窓際や照明の近くなど、植物の生育環境を考慮しながら設置場所を選定することが大切です。
パーティションに取り付ける
執務エリアを区切るパーティションがある場合は、パーティションに植物を取り付ける方法もおすすめです。植物をパーティションに配置することで、無機質な仕切りに温かみが加わり、圧迫感が軽減されます。空間を緩やかに区切りながらも、視覚的な柔らかさを保つことができます。
特に木目調のパーティションと組み合わせると、カフェのような落ち着いた雰囲気を演出できます。従業員がリラックスして働ける環境を作りつつ、適度なプライバシーも確保できるため、集中力の維持にも効果的です。
オフィス緑化を成功させるポイント
オフィス緑化を導入する際は、ただ植物を置くだけでなく、持続可能な運用と業務への影響を考慮することが重要です。ここでは、成功させるための2つの重要なポイントをご紹介します。
管理しやすい植物を選ぶ
オフィス緑化の効果を持続させるには、植物が健全な状態を保つことが不可欠です。管理が行き届かず弱ったり枯れたりしている植物では、ストレス軽減などの効果が得られないどころか、かえって職場環境の悪化を招きかねません。
オフィスでも簡単に管理できる植物を選ぶことが成功の鍵となります。具体的には、日陰でも育つ耐陰性の高い品種、水やりの頻度が少なくて済む乾燥に強い種類、葉が落ちにくく掃除の手間がかからない植物などが適しています。ポトスやサンスベリア、モンステラといった観葉植物は、これらの条件を満たしオフィス環境に適した品種として人気があります。
動線を邪魔しない配置にする
植物の配置場所を誤ると、従業員の移動や業務遂行に支障をきたし、オフィス緑化が逆効果となってしまいます。通路や出入口、書棚やコピー機の近くなど、頻繁に人が行き来する場所への設置は避けるべきです。
業務フローを妨げると、せっかくのリラックス効果よりもストレスが勝ってしまい本末転倒です。床面に植物を置くスペースが確保できない場合は、天井から吊るしたり壁面を活用したりするなど、立体的な配置の工夫が求められます。デスク上や窓辺、休憩スペースなど、動線に影響しない場所を選定することで、快適性と機能性を両立させたオフィス緑化が実現できます。
オフィス緑化で働きやすさを向上させるならMACオフィス
オフィス緑化を成功させるには、管理しやすい植物の選定や動線を考慮した配置計画、継続的なメンテナンス体制の構築など、専門的な知識とノウハウが必要です。
MACオフィスでは、企業のオフィス移転やレイアウト変更に伴うトータルソリューションを一括して提供する「オフィスプランニング」サービスの中で、緑化を取り入れたバイオフィリックデザインの提案や、植栽配置を含めた空間演出をサポートしております。
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