出社とテレワークが混在する今、採用競争力や生産性を高めるには、オフィスを「固定費」ではなく「経営戦略の武器」として再設計することが重要です。一方で、自社に合うオフィス戦略の描き方が分からない担当者も多いのではないでしょうか。
今回は、オフィス戦略の最新トレンドと見直し方、成功させるポイントについて解説します。
オフィス戦略の見直しが注目されている背景
近年、企業のオフィス戦略に対する関心が急速に高まっています。主に、以下のような要因が関係しています。
・景気の回復や企業業績の改善
より機能的なオフィス環境を求め、オフィス拡張や移転を検討する企業が増加しています。
・出社回帰の動き
多くの企業で出社率が上昇した結果、スペース不足や働きづらさといった課題に直面するケースが目立つようになりました。
▼出社(オフィス)回帰が増えている理由について詳しくは
「オフィス回帰はなぜ増えている?企業事例からみる成功の3つのカギ」
・ハイブリッドワークの定着
テレワークとオフィス出社を組み合わせたハイブリッドワークが定着したことで、コミュニケーションやコラボレーションを促進する場としてのオフィスが求められています。
・採用難
魅力的で快適なオフィスは、企業ブランディングや人材採用に良い影響を与えます。働き方に合ったオフィス環境を整備できていない企業では、離職率の上昇や採用の苦戦といった経営課題が顕在化しています。
トレンドのオフィス戦略
企業のオフィス戦略は、経営方針や人材戦略と深く結びついた取り組みへと進化しています。働き方の多様化や価値観の変化に対応するため、最新トレンドを押さえておきましょう。
自社オフィスの機能拡充
オフィスの役割が多様化する中で、自社オフィス内の機能を充実させる動きが加速しています。フリースペースやカフェエリア、集中ブースなど、業務内容に応じた多様な空間を設けることで、従業員が最適な環境を選んで働ける仕組みが広がっています。
特に重視されているのが「交流×集中」のバランスを取る設計です。オープンなコミュニケーションスペースで部門を超えた交流を促しながら、個室ブースや静かなエリアで集中作業にも対応できる環境が求められています。
例えば、業務の性質に合わせて柔軟に場所を選べるABW型(※)のレイアウトは、生産性向上と従業員満足度の双方に貢献する効果的なアプローチとなっています。
※Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略。オフィスの内外問わず、仕事内容に合わせて自由に場所を選択できる働き方。
本社の首都圏回帰・一極集中
コロナ禍で一時的に進んだ「脱首都圏」の流れが弱まり、企業本社の「首都圏回帰・一極集中」が再び強まっています。
帝国データバンクが2025年9月に発表した調査によると、地方から首都圏へ本社機能を移転した企業は2025年上半期で200社にのぼり、過去10年間で最も多い数字となりました。
首都圏には取引先や顧客との接点、最新情報が集中しており、採用市場も厚くなっています。特にIT・サービスなど成長分野では有利な環境が整っており、競争が激しい業界ほど東京一極集中が合理的な選択となりやすい傾向があります。
出典:帝国データバンク「首都圏「本社移転」動向調査(2025年上半期)」
バイオフィリックデザイン
植物や自然光を取り入れるバイオフィリックデザインは、従業員のストレス軽減や集中力向上を促す手法として注目されています。観葉植物やグリーンウォールの設置、木材や石材など自然素材の活用により、都市部のオフィスでも自然を感じられる環境を実現できます。
自然要素を空間に組み込むことで、働く人々に安らぎを与え、創造性を刺激する効果が期待されています。
関連記事:「オフィス緑化で業務効率化を目指そう!設置方法とポイントを紹介」
健康に役立つオフィス家具の導入
従業員の健康を支えるオフィス家具への関心が高まっています。
スタンディングデスクや昇降式デスクは、立ち仕事と座り仕事をバランス良く取り入れることで血流改善や腰痛予防に効果的です。人間工学に基づいて設計されたオフィスチェアは、長時間のデスクワークによる身体への負担を軽減します。
こうした家具の導入は、生産性やモチベーション向上との関連も報告されており、健康経営を推進する企業にとって有効な投資となっています。従業員の体型や業務スタイルに合わせた家具選びが、快適な作業環境と健康維持の両立につながります。
機能性に合わせたゾーニング
長期的な視点でのゾーニングやデザイン設計が重要視されています。増員や働き方の変化に柔軟に対応できるよう、壁を建てて会議室を作るのではなくブースを入れる、原状回復を見越したデザイン設計を行うなど、可変性を持たせた空間づくりが進んでいます。
業務の性質に応じたエリア分けにより、集中作業とコラボレーションの双方に最適な環境を提供できます。フレキシブルなレイアウトは、企業の成長や事業変化に合わせてオフィスを進化させられる柔軟性をもたらします。
オフィス戦略の見直し方
オフィス戦略を効果的に見直すためには、体系的なアプローチが必要です。以下の4つのステップに沿って進めることで、実効性の高い改革を実現できます。
1.現状の課題を分析する
最初に、現状のオフィス課題を明確化することが重要です。稼働率、動線、従業員満足度、コミュニケーションの活性度などを数値と意見の両面から把握します。
具体的には、「使われていないスペース」「混雑しているエリア」などを見える化することで、改善の方向性が明確になります。業務効率や生産性に関する客観的データも分析し、改善すべきポイントを特定しましょう。
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2.オフィスの目的を再定義する
採用強化、ブランディング、生産性向上、ウェルビーイングなど、オフィスの目的を明確にしておくことが大切です。
目的設定を誤ると、デザインやレイアウトが形式だけになるおそれがあります。経営戦略と連動した明確な目的を設定し、全社的なコンセンサスを形成してからプロジェクトを開始することで、実効性の高い改革が可能になります。
3.関係者間で方針を共有する
経営層、人事、総務、現場社員が共通の方向性を持ってプロジェクトを進めることが重要です。経営陣が「何を優先するか」を明示し、現場の声と整合をとることで実現性が高まります。
合意形成の段階で課題を洗い出しておくと、後工程での手戻りを防げます。ステークホルダーを適切に巻き込み、合意形成を丁寧に行い、組織全体のコミットメントを確保することが成功の鍵となります。
4.段階的な改善を進める
すべてを一度に刷新せず、小規模リニューアルや部分改修から始めるのが効果的です。改善を重ねながら全体へ展開することで、リスクを最小化できます。
段階的な進行により、コストや業務への影響を最小限に抑えられます。定期的な効果測定とPDCAサイクルの運用により、継続的な改善と最適化を図りましょう。
オフィス戦略を成功させるポイント
オフィス戦略を成功に導くためには、包括的な視点で取り組むことが重要です。以下のポイントを押さえることで、効果的な改革を実現できます。
経営戦略や人材戦略とオフィス設計を連動させる
オフィスを企業の目標達成を支える戦略的な資産として位置づけましょう。経営戦略や人材戦略と連動させ、経営層の明確な方針のもとで進めることが求められます。
従業員の意見を取り入れる
アンケートやヒアリングを通じて現場の声を丁寧に集めましょう。実際に使う人々のニーズに基づいた環境を整えることで、従業員の満足度が向上し、改革への理解と協力が得られやすくなります。
運用やコミュニケーションの仕組みを考える
ハード面の整備に加えて、新しい働き方をサポートする制度やルール、マネジメント手法の見直しも同時に行うことで、真に機能する環境が実現します。
外部パートナーと協働する
客観的な視点で改善策を立てることも有効です。オフィスデザインや働き方改革の専門家の知見を活用することで、自社では気づきにくい課題を発見し、より効果的な解決策を導き出せます。
オフィス戦略のご相談ならMACオフィスへ
働き方の多様化が進む現代において、オフィス環境は企業の競争力を左右する重要な経営資源となっています。
自社の成長段階や事業戦略に合わせた戦略的なオフィス設計により、採用力の強化、生産性の向上、従業員満足度の向上といった具体的な成果を実現できます。
最適なオフィス戦略を立案するなら、ぜひMACオフィスへご相談ください。オフィスの現状分析や移転・レイアウト変更のメリット・デメリットの検討から、移転プロジェクトに伴う物件選定、デザイン、引越しまで、お客様のイコールパートナーとしてご支援をしております。
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