1. Home
  2. オフィスのお役立ち情報
  3. 就職氷河期世代を雇用するメリットとは?採用時のポイントも解説
就職氷河期世代を雇用するメリットとは?採用時のポイントも解説

オフィスのお役立ち情報

就職氷河期世代を雇用するメリットとは?採用時のポイントも解説

就職氷河期世代を雇用するメリットとは?採用時のポイントも解説

人材不足による採用難が進む中、就職氷河期世代の雇用を検討する企業が増えています。就職氷河期世代はキャリアの点では懸念があるかもしれませんが、厳しかった時代を乗り越えてきたからこそのスキルを持つ人材も多くいます。今回は、就職氷河期世代を雇用するメリットを、就職氷河期の時代背景や採用時のポイントとあわせて紹介します。

就職氷河期とは

就職氷河期とは、バブル崩壊に伴う景気の悪化により、新卒採用が極端に厳しかった時代のことで、一般的には1993年~2005年ごろとされます。

就職氷河期の時代背景

当時の新卒が就職難に至った背景には、バブル経済の崩壊と雇用制度の変化があります。

バブル経済の崩壊

バブル経済は、1985年のプラザ合意に伴う急激な円高に対する日銀の金融緩和政策がきっかけで、経済実態を伴わない地価や株価の上昇が急激に進んだものです。この加熱に対処するために行われた金融引き締め政策や地価高騰抑止策により、1991年には地価や株価が暴落し、バブル経済は崩壊しました。

バブル崩壊により企業業績は大きく悪化し、人件費を抑えるために人員削減が行われ、新卒採用も抑制されました。

雇用制度の変化

バブル崩壊までは、終身雇用や年功序列といった日本型雇用システムが一般的でした。しかし、不況下では企業への負担が大きいため、雇用調整を迫られます。その結果、非正規雇用の増加や新卒採用の縮小につながりました。

就職氷河期世代とは

就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の雇用環境が厳しい1993年~2005年ごろに、就職活動を行わなければならなかった世代を指します。

高卒・大卒を含め、1970年から1984年ごろに生まれた方が該当します。2025年時点での年齢は41歳~55歳です。

就職氷河期世代の現状

雇用環境が厳しく、新卒採用の機会が失われた就職氷河期世代は、現在も多くの課題に直面しています。本人の責にはよらず不利益を被り、その影響が現在まで続いていることが大きな問題として指摘されています。

不本意な雇用形態

厚生労働省が2003年に実施した「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、25.8%の契約社員や派遣労働者、パートタイム労働者などの非正規労働者が、非正社員を選択した理由に「正社員として働ける会社がなかったから」をあげています。

また、今後希望する働き方・就業形態については、「他の就業形態に変わりたい」と回答した方は22.9%で、そのうち84.6%が正社員を希望しています。このことからも、不本意ながら非正規雇用を選ばざるを得なかったことがわかります。

出典:厚生労働省「―平成15年就業形態の多様化に関する総合実態調査結果の概況―

キャリア形成が困難

就職氷河期世代は、非正規雇用を選択せざるを得なかったり、就職時に希望する職に就けなかったりしたことが原因で、スキルや経験を得られず、その後のキャリア形成が困難な状況にあります。

景気が上昇に転じても採用の対象とならなかったため、その影響が現在まで続いています。

賃金の低迷

非正規雇用者は、正社員と比べて賃金が低く、経済的に厳しい状況に置かれています。

物価上昇や人材不足を背景に賃上げが進んでいるものの、企業は20~30代を優先し、40~50代の就職氷河期世代は後回しにする傾向があります。

また、非正規雇用の期間が長いとキャリア形成が難しく、転職による賃金アップも厳しい環境です。経験が評価されにくいため、待遇改善に結びつきにくいのが現状です。

将来への不安

非正規雇用者は、正規雇用と比較して収入が少なく、社会保険や福利厚生面でも不利な環境に置かれています。

収入が安定しないため、生活費の捻出が難しい方もいます。そのため、ライフプランが描けないという方も多くいます。

非正規雇用の長期化により厚生年金の加入期間が短くなり、将来の年金受給見込み額が少ないことも、氷河期世代が抱える将来の不安のひとつです。

就職氷河期世代を雇用するメリット

氷河期世代は、経験やキャリアの不足から、雇用には積極的になれないという企業もあるでしょう。しかし、氷河期世代の人材活用には、企業にも多くのメリットがあります。メリットを理解した上で、戦略的に採用を進めていくと良いでしょう。

採用戦略を成功させるポイントは、以下の記事で解説しています。
採用戦略を立案するメリットは?成功のポイントと戦略立案の手順も解説

即戦力が期待できる

就職氷河期世代は、すでに一定の社会経験を積んできています。新卒採用者のように一から育成する必要がなく、短期間で戦力化できる可能性があります。

また、インターネットの普及といった劇的な社会の変化を経験している世代のため、変化への適応力が高く、新しい環境や仕事にも比較的スムーズに適応できると期待されます。

特に、豊富な社会経験から、お客様や利用者とのコミュニケーションを円滑に行えることは氷河期世代の強みのひとつです。異業種からの転職であれば、新たな視点をもたらしてくれる可能性もあるでしょう。

人材不足の解消につながる

採用が難化し労働力不足に悩む企業にとって、就職氷河期世代の採用は、貴重な人材確保手段です。

氷河期世代は安定した雇用を求める傾向があるため、定着が期待できます。適切な育成により長期的に企業に貢献できる人材に成長する可能性があるでしょう。

氷河期世代の応募を獲得するには、以下の記事を参考に戦略を立てるのがおすすめです。
求人への応募者を増やすには?求職者が集まらない原因と選ばれる企業になるための対策

助成金を活用できる

氷河期世代への支援は国をあげて行われており、氷河期世代を正規雇用した場合、国や自治体から助成金を受け取れる場合があります。2025年8月時点では、以下の助成金が活用可能です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。

トライアル雇用助成金「一般トライアルコース」
特定求職者雇用開発助成金「就職氷河期世代安定雇用実現コース」
人材開発支援助成金「人材育成支援コース」

就職氷河期世代を雇用する際のポイント

就職氷河期世代を雇用する際には、この世代が置かれた状況を理解し、彼らの強みや経験を活かせるように配慮することが重要です。氷河期世代を雇用する際に気を付けるべきポイントを4つ紹介します。

職歴だけでなく総合的に評価する

氷河期世代は、非正規雇用を選ばざるを得ず、職歴が浅い方も多くいます。そのため、職歴だけでなく、これまでの経験やスキルを総合的に評価する必要があります。

ポジティブな面を評価し、意欲や潜在能力を重視しましょう。

経験不足を補うための研修制度やサポート体制を整える

非正規雇用のため、十分なキャリアを重ねられなかった氷河期世代も多くいます。入社後の研修を充実させ、業務に必要な知識やスキルを習得する機会を提供することが大切です。

また、社内に同年代が少ないため、職場になじめない可能性もあります。メンター制度などを活用し、職場にスムーズに溶け込めるようにサポートしましょう。

社内で実践できるサポートや、環境づくりについては以下の記事で解説しています。

心理的安全性の高い職場とは?メリットや環境づくりの方法を紹介

社内コミュニケーションを改善するメリットとは?おすすめの方法も紹介

多様な働き方を検討する

氷河期世代の中には、正社員に限らず柔軟な働き方を望む方もいます。契約社員やパートなど、多様な働き方を検討するのも良いでしょう。

就業時間や勤務場所など、柔軟な働き方を認めることで、より多くの人材を雇用できる可能性があります。

オフィスワークとテレワークを組み合わせた働き方である、ハイブリッドワークについては、以下の記事で解説しています。
ハイブリッドワークとは|メリットや導入時のポイント、成功事例を紹介

ハローワークや就職支援機関と連携する

ハローワークや就職支援機関では、氷河期世代を対象にさまざまなサポートを行っているため、連携を進めることで求職者の紹介が受けられます。

企業説明会や面接会を共同で開催するなど、積極的に採用活動を行うと効果的です。

まとめ

バブル崩壊後厳しい環境で就職活動を行った氷河期世代は、キャリア形成が不十分かもしれませんが、即戦力と高い潜在能力があります。

人材確保に課題を感じているなら、氷河期世代の雇用も有効な解決手段です。国からの支援も活用しながら、積極的に進めてみると良いでしょう。

氷河期世代の雇用を含め、採用活動では「オフィス戦略」も重要な要素のひとつです。オフィス環境は、見た目だけでなく、働きやすさにも大きく関係しており、生産性にも影響します。求職者から選ばれるだけでなく、採用後に強みを引き出すためにも重要です。

採用計画や働き方を踏まえたオフィス戦略なら、MACオフィス「WEOマネジメント」をご活用ください。オフィスの移転やレイアウトの変更、シェアオフィス活用など多方面から最適な戦略を探り、経営課題の解決をサポートいたします。サービス詳細や、オフィスコンサルティングの事例集は、以下からご確認ください。

>>MACオフィス「WEOマネジメント」サービスページはこちら

>>「オフィスコンサルティングの事例集」の資料ダウンロードはこちら

>>MACオフィスのオフィス診断はこちら

Related Posts 関連記事

100人の壁を乗り越える!組織のピンチを好機にする方法を解説
100人の壁を乗り越える!組織のピンチを好機にする方法を解説
心理的安全性が低い職場とは?特徴やリスク、改善策を紹介
心理的安全性が低い職場とは?特徴やリスク、改善策を紹介
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?策定に役立つフレームワークから企業事例まで解説
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?策定に役立つフレームワークから企業事例まで解説
採用ミスマッチが起こる原因とは?リスクや対策方法についても紹介
採用ミスマッチが起こる原因とは?リスクや対策方法についても紹介
心理的安全性の高い職場とは?メリットや環境づくりの方法を紹介
心理的安全性の高い職場とは?メリットや環境づくりの方法を紹介
採用戦略を立案するメリットは?成功のポイントと戦略立案の手順も解説
採用戦略を立案するメリットは?成功のポイントと戦略立案の手順も解説
記事一覧へ

CONTACT

TEL
0120-058-919
受付時間 8:45~17:45(土・日・祝を除く)
ご相談・お問い合わせ