自社オフィスに必要な坪数がわからず、移転・拡張・縮小などの判断に迷っていませんか。「1人あたり何坪が目安なのか」「適正な広さはどのくらいか」と悩む経営者や担当者は少なくありません。
オフィスの適正坪数は、人数を単純に割り算するだけでは導き出せません。職種・働き方・業務内容・将来計画まで含めた多角的な設計が不可欠です。今回は、オフィスの坪数を検討する上で押さえたいポイントと、あわせて考えるべき働き方の設計について解説します。
法律で規定されているオフィスの1人あたり面積
オフィスの広さには、法律による最低基準が設けられています。労働安全衛生法では、従業員1人につき「気積(空間の体積)10立方メートル以上」を確保することが義務付けられています。一般的な天井高2.5メートルのオフィスでは、1人あたり約4㎡(約1.2坪)に相当します。
ただし、これはあくまで最低限の法的基準です。実際に快適で生産性の高い職場環境を実現するには、業務内容や働き方に合わせたより広いスペースの確保が求められます。この基準を下限として、実態に即した坪数設計を進めましょう。
オフィスの適正坪数を考える5つのポイント

オフィスの適正な広さは、人数だけで機械的に割り出せるものではありません。業種・業務内容・働き方・将来計画など、複数の要素を踏まえた検討が必要です。ここでは、坪数を考える上で欠かせない5つのポイントを解説します。
職務・ワークスペース
オフィスに必要な坪数は、職種ごとのデスクサイズの違いによって大きく変わります。
一般的に、主にPC操作を行う営業職のデスクは幅1,000mm×奥行600〜700mmが目安ですが、複数のモニターや書類を広げる技術職では幅1,600mm×奥行700〜800mmが必要です。職種の割合に応じてワークスペース全体の面積が変わるため、適切な坪数算出には職種構成の把握が重要です。
また、会議室・ミーティングスペースは利用者1人あたり2〜3㎡、休憩室などの福利厚生スペースは従業員1人あたり1〜1.5㎡程度が目安です。共用スペースも含めて面積を算出することが、現実に即した設計につながります。
ワークエリアの稼働率
稼働率を把握することは、適正坪数の判断において欠かせない視点です。
稼働率の目安は70%程度であり、40%以下になると「無駄なスペース」が生じている可能性が高く、坪数の削減余地があると判断できます。オフィスの利用状況をヒートマップツールなどで可視化することで、有効活用へのヒントが得られます。
データをもとに稼働率を定期的に見直し、空間の使い方を改善することが、コストの最適化には重要です。
働き方(出社率)
テレワークや時差出勤が普及した現代では、全員が毎日出社することを前提とした計算は実態と乖離しやすくなっています。
全員出社の場合は「従業員数×1人あたりの面積」が基本ですが、テレワーク・時差出勤を導入している場合は「従業員数×出社率×1人あたりの面積」という計算式が有効です。また、出社率は「総出社日数÷総可能出社日数(本来出社できる日数)×100」で求められます。
実際の出社人数に見合った坪数を算出することが重要です。
従業員の業務内容・働きやすさ
必要な面積は人数だけでなく、オフィス内に何を置くかによっても変わります。
通路幅は1人が通る場合で約0.9m、すれ違いが発生する場合は約1.6mが必要です。会議室・休憩スペース・受付・コピー機などの機器置き場・書類収納スペースも、適切に計画へ組み込む必要があります。
業務特性を踏まえた動線設計を行うことで、生産性の高いオフィス環境を実現できます。
将来的な成長(拡張性)
拡大期にある企業や今後の採用計画がある場合は、将来の人員増を見越した坪数設計が重要です。
あらかじめ十分な面積を確保することで、短期間での再移転や増床対応のリスクを回避できます。5〜10年先のビジョンを踏まえて計画することが、長期的な経営の安定につながります。
オフィスの坪数検討に必要な働き方・使い方の設計
オフィスの坪数を変更するとはいえ、契約期間や費用など現実的な制約があるため、すぐに移転や縮小ができるとは限りません。その場合は現在のスペースのまま、働き方や使い方を見直すことで、適正な状態に近づけることを検討できます。以下に、その有効な取り組みを紹介します。
テレワークやフリーアドレスの導入
テレワークと組み合わせて出社率を適切に管理したり、固定席を持たない「フリーアドレス制」を導入したりすることで、実際の利用人数に合った座席数を確保できます。これによってスペースの柔軟性が高まり、人員構成の変化や用途の転換にも対応しやすくなります。
ペーパーレス化の推進と収納の削減
書類の電子データ化(ペーパーレス化)を進めることで、キャビネットなどの保管スペースを有効活用できます。また、不要書類の廃棄や社外倉庫の活用も、スペースを柔軟に使うための手段です。
▼ペーパーレス化について詳しくは
「オフィス移転を機にペーパーレス化!手順とメリットとは」
1つの空間の「多目的化」
会議室を昼食スペースとしても活用したり、休憩スペースにモニターを設置してカジュアルなミーティングにも使えるようにしたりすることで、1つの空間に複数の役割を持たせ、面積を効率的に活用できます。
専用スペースの数を減らしながら機能を維持できる、コスト効率の高いアプローチです。
オフィスの坪数検討から戦略設計までサポートする「WEO®マネジメント」
働き方の多様化が進む今、オフィスの坪数を最適化するには単に面積を計算するだけでは不十分です。企業の成長を支えるためには、財務戦略や理想の働き方までを見据えた「統合的な設計」が欠かせません。
MACオフィスのWEO®マネジメントは、オフィス戦略×財務戦略×働き方を一体的に最適化するサービスです。現状の職場環境や働き方を分析し、企業にとって真に「適正なオフィス面積(坪数)」を算出・検証します。
賃貸借契約の更新に伴う「部分返却・レイアウト変更・更新延長」の事例では、適正面積の検証を通じて、約1,000坪から約750坪へのダウンサイジングをご決断いただきました。
ラウンジ導入や会議室運用の見直しにより、コミュニケーションの活性化と利用効率の改善も達成しています。
▼事例は以下のページから
「WEO®マネジメントご成約事例 – 部分返却・レイアウト変更・更新延長」
>>WEO®マネジメントの詳細はこちら
まとめ
オフィスの適正坪数は、法律の最低基準をもとに、職種・稼働率・出社率・業務内容・将来計画の5つのポイントを考慮して算出することが重要です。また、坪数を変更する際は、テレワーク導入やフリーアドレス化、ペーパーレス化、空間の多目的化など、働き方・使い方の設計を同時に進めることで従業員への影響を抑えられます。
自社に合った最適なオフィス環境の実現に向けて、専門家のサポートも活用しながら計画的に進めていきましょう。