品川は、新幹線や複数の在来線が集まり、羽田空港へのアクセスにも優れた、広域移動の利便性が高いオフィス街です。品川地区には大規模オフィスや文化施設が集まり、大崎地区では高層ビルと緑豊かな住環境が共存するなど、エリアごとに異なる魅力があります。さらに、再開発やスタートアップの集積も進み、今後の成長性も期待されています。
今回は、品川エリアのオフィス街としての魅力について、品川・大崎・五反田それぞれの特徴や立地、メリット、空室状況・賃料相場まで詳しく解説します。
品川区の主なオフィス街(品川・大崎・五反田)の特徴
品川区内でオフィス街として知られる主要エリアには、品川地区・大崎地区・五反田地区があります。それぞれの街並みや特徴について紹介します。
品川地区
品川地区は、旧東海道品川宿の面影を残す街並みと寺社仏閣が点在する歴史的な雰囲気を持ちながら、天王洲アイルや品川シーサイドフォレストといった大規模オフィスの集積が進むエリアです。歴史的な景観と最新のビジネス機能が共存している点は、他の都心オフィス街にはない品川地区ならではの特徴と言えます。
また、水辺の開発地区である天王洲アイルは、アートや文化の発信拠点としても知られており、運河沿いの遊歩道やギャラリー、飲食店が点在しています。オフィスワーカーにとっては、就業時間外にも文化的な刺激を受けられる環境が整っており、働く場所としての魅力の高さにもつながっています。
大崎地区
大崎地区は、目黒川沿いの桜並木や、池田山・島津山周辺に広がる閑静な高台住宅地といった豊かな自然・住環境と、大崎駅周辺に立ち並ぶ高層ビル群が近接して共存しているエリアです。都心部でありながら緑や住宅街の落ち着きを感じられる立地は、企業にとって従業員の働きやすさを高める要素の一つになります。
さらに、大崎地区は職・住・遊・学の機能が一体的に集積した複合拠点としてのまちづくりが進められており、オフィスワーカーが生活環境も含めて満足しやすい街として整備が進んでいます。
五反田地区
五反田地区は、JR山手線・都営浅草線・東急池上線の3路線が利用できる五反田駅を中心としたエリアです。駅周辺には中小規模のオフィスビルが多く、飲食店も充実していることから、IT系スタートアップやベンチャー企業の拠点として選ばれてきました。
大規模ビルが中心の品川地区や大崎地区と比べて、事業規模や成長段階に応じたオフィスを探しやすい点も、五反田地区の特徴と言えるでしょう。
品川エリアの主な魅力
品川エリアが持つ立地・交通面での強みを紹介します。
主要エリアへのアクセスが優れている
品川エリアは東京23区南部に位置し、港区や渋谷区といった都心のオフィス街・商業エリアへも距離的に近く、短時間でアクセスできる立地です。取引先や協業先が集積する都心主要エリアとの往来がしやすいことは、日々の商談や打ち合わせの効率化に直結します。
こうしたアクセスの良さは、従業員の移動負担を軽減するだけでなく、取引先との関係構築や新規開拓の機会を広げる上でも、企業にとって無視できない立地条件です。
新幹線・在来線・私鉄が集結している
品川駅は、JR5路線に加え、都営浅草線・京成線方面への直通運転も行う京急線が乗り入れる都内有数のターミナル駅です。
東海道新幹線を利用すれば名古屋・大阪方面へのアクセスも可能で、都内各方面への移動は乗り換えなし、または1回の乗り換えで完結できます。
羽田空港からも近い国際的な立地である
品川駅は、羽田空港に最も近い都心ターミナル駅です。京急線のエアポート快特を利用すれば、羽田空港第3ターミナル駅へ約11〜12分で到達できます。
高輪ゲートウェイシティ整備とリニア中央新幹線開通への期待もある
品川エリアでは現在、JR東日本による「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)」として都心最大規模の再開発が進められてきました。2026年3月にはTAKANAWA GATEWAY CITYが全面開業し、国際交流拠点としてのエリア機能が強化されています。
品川駅はリニア中央新幹線の始発駅になることが予定されており、品川・名古屋間の開通後は名古屋方面への移動時間が大幅に短縮される見通しです(大阪方面については、名古屋・大阪間の延伸開業後に短縮効果が生じますが、開業時期は未定です)。
品川エリアにオフィスを構えるメリット
品川エリアにオフィスを構える実務上のメリットについて解説します。
従業員の通勤・顧客訪問が効率化する
品川エリアは都内各方面からの通勤アクセスが良好であるため、従業員の通勤負担を軽減しやすい立地です。
加えて、新幹線や羽田空港への近さを活かせば、地方や海外への出張、取引先の来訪対応もスムーズに行えるため、商談機会の損失を防ぐことにもつながります。
移動効率の向上は、従業員の労働生産性を高めるだけでなく、企業全体の働く環境の最適化にも寄与します。
本社移転・支社集約の選択肢が豊富にある
品川エリア、とりわけ港南エリアを中心に、1990年代後半以降に開発された超高層の大規模オフィスビルが立ち並んでおり、広いフロア面積や高い耐震性能、先進的な設備を備えた物件が多く存在します。
本社移転や複数拠点の集約を検討する企業にとって、規模や機能に応じた拠点選びを後押しする要素となります。
国際的なビジネス環境を活用できる
品川エリアには外資系企業やグローバル展開する企業も多く集積しており、グローバル企業とのネットワーキングや協業機会を得やすい環境が整っています。
エリア内での異業種交流や情報収集も自然と生まれやすく、海外展開やグローバル人材の採用を視野に入れる企業にとって親和性の高いビジネスコミュニティを形成できる点も特徴です。
スタートアップ・ベンチャー企業の集積地を活かせる
大崎・五反田エリアでは2018年に「五反田バレー」が発足し、IT系スタートアップやベンチャー企業の集積地として注目されています。同業種の企業が集まることで、情報交換や共創が生まれやすい環境が形成されている点も見逃せません。
品川区は情報・通信産業の事業所数・就業者数の比率が東京都全体よりも高く、行政もスタートアップ支援の助成制度を整備するなど、官民一体でエコシステムの推進を図っています。
品川インターシティや品川グランドセントラルタワーなどには大手製造業・IT企業の本社が集積。ビジネスコミュニティを形成しやすく、企業間連携やオープンイノベーションも促進されやすい環境といえます。
品川エリアの空室状況・賃料
品川エリアのオフィス市況として、直近の空室率と賃料相場の動向を紹介します。
出典:三幸エステート「相場データ:東京都」
品川区・大田区の大規模ビル空室率は都心5区と比べて高い傾向
2026年8月末時点における品川区・大田区の大規模ビル空室率は約3%となっており、同時点の都心5区(約1%)と比較すると空室率が高い傾向にあります。この数値からも、品川エリアは都心5区と比べて相対的に需給が緩やかな状況が続いていることが分かります。
なお、2026年3月に品川駅周辺で延床面積約63,000坪の大型物件が新規供給されたことで空室率は2026年4月に約3.3%まで上昇しましたが、2026年6月には約2.4%まで低下しました。市況は短期的に変動するため、移転検討にあたっては最新の動向を継続的に把握しておくことが重要です。
大規模ビル募集賃料は都心5区と比較して割安感があり、上昇傾向
品川区・大田区の大規模ビル平均募集賃料は、2026年8月末時点で約2.4万円/坪(共益費込)です。1年前(2025年8月)は約2万円/坪のため、賃料水準は上昇傾向にあると言えるでしょう。
なお、このうち五反田・大崎エリアの大規模ビルの2026年8月末時点の賃料は約3万円/坪(共益費込)と、都心5区の平均3.5万円/坪(共益費込)と比べると割安な水準にあります。
ただし、品川エリアは範囲が広く、同じエリア内でも駅からの距離や築年数などによって賃料水準や空室状況は異なります。実際に移転を検討する際は、エリアごとの特徴もあわせて確認しておきましょう。
品川エリアへのオフィス移転のご相談なら
近年は工事費の高騰も相まって、オフィス移転にかかる費用は以前よりも増加傾向にあります。品川エリアへの移転を将来的に検討している場合には、早い段階からの準備が重要です。
株式会社MACオフィスでは、テナント(お客様)側の立場に立ち、経営者・CFOの意思決定をサポートするWEO®マネジメントをご提供しています。現在のオフィスの利用状況や中期経営計画、市況などをもとに、移転先の候補エリアや物件の条件を比較し、オフィス戦略の検討をサポートします。
品川エリアは、品川・大崎・五反田など複数のエリアで構成されており、それぞれ街の特徴や賃料水準が異なります。MACオフィスでは、各エリアの特徴を踏まえた比較検討のシナリオもご提示できます。品川エリアへの移転を具体的に検討している場合はもちろん、「品川エリアの中で自社に合うのはどこか比較したい」といった段階からでもご相談いただけます。
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まとめ
品川エリアは、品川地区の歴史的な街並みと大崎地区の落ち着いた住環境が共存しながら、都心主要エリアへのアクセスの良さや、羽田空港・新幹線を活かした広域移動の利便性を兼ね備えたオフィス街です。加えて、大規模オフィスビルの選択肢の豊富さや国際的なビジネス環境、スタートアップとの親和性など、企業の成長を後押しする要素も数多く揃っています。
一方で、都心5区と比較すると空室率にはまだ余地があり、賃料水準にも一定の割安感が見られるため、コストと機能性のバランスを重視する企業にとっては検討の価値が高いエリアと言えます。品川エリアへの移転を視野に入れている場合は、最新の市況を踏まえながら、財務面と働く環境の両面から検討していきましょう。